ごあいさつ

2006年度の日本エイズ学会学術集会は東京で開催されます。
1987年にエイズ研究会として発足以来、回を重ねて20回目という節目に、はじめてNGOの立場から会長という大役をいただき身の引き締まる思いです。
日本エイズ学会は、エイズに関わる専門家集団であると同時に、基礎、臨床、社会という広範なテーマをカバーし、学術的に検討することで、よりよい施策のために科学的、社会的論拠を提示しうる唯一のシンクタンクであると思います。
すでに多くの関係機関から学術集会へのご後援をいただいておりますが、このように多彩な英知と実績を存分に発表しあい、連携につながるようなプログラムを諸先生方とともに準備していきますので、是非ご参加ください。


第20回日本エイズ学会学術集会・総会 会長
池上 千寿子
特定非営利活動法人ぷれいす東京

基礎研究を効果的ツールに

地球規模でのエイズパンデミーに対し、さまざまな予防医療技術が講じられているが、欧米など少数の国を除いて現在の技術ではっその流行抑制は困難です。
基礎研究の重要性について言うまでもありませんが、とくに治療面では感染者体内からウイルスを排除する方法、予防面ではなんといっても感染予防ワクチンの開発が急務となっています。
これまでの生命科学研究の発展は眼をみはるものがあります。その成果をフルに活用した効果的な技術ツールの開発こそがパンデミーを収束させるもととなるのです。会員各位におかれましてはその端緒となるような新たな成果を持ち寄り、披露していただけるものと期待しております。

プログラム委員会委員長
山本 直樹
国立感染症研究所エイズ研究センター

専門家集団として

国、地方行政、NGO、教育現場、大学、専門病院、財団などがさまざまに取り組む中で、日本のHIV感染者は増え続けています。
基礎、臨床、社会などさまざまな立場の専門家が集う日本エイズ学会には、それぞれの専門性における進歩・展開のみならず、専門家集団としてのあり方も求められています。2005年7月に神戸で開催された第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議をきっかけに、アジアの中の日本としてどのようにエイズ問題に対処していくのかを考え始めた方もいると思います。
今年の熊本そして来年の東京と、国内そして国際的なエイズの諸問題を、それぞれの専門性から、あるいは横断的に議論するために、日本エイズ学会に多くの方が参加されるよう期待します。

日本エイズ学会理事長
岩本 愛吉
東京大学医科学研究所付属病院